東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の藪浩教授、イスラエル工科大学(Technion)のDario R. Dekel教授、北海道大学電子科学研究所の松尾保孝教授およびAZUL Energy株式会社による研究グループは、安価で資源制約の少ない金属錯体青色顔料を用いた非白金触媒の分子構造を最適化し、アニオン交換膜(AEM)型燃料電池の高出力化・高耐久化に成功しました。なお、Dekel教授は当社のTechnical Advisorも務めています。
本研究では、鉄テトラアザフタロシアニンを導電性カーボンに担持した触媒を燃料電池の正極触媒として使用。分子構造を最適化した触媒「AZ-FO-30」では、従来の金属フタロシアニン系触媒を上回る最大出力密度902 mW/cm²を達成するとともに、400 mA/cm²の一定電流密度下で35時間作動させた後も電圧低下を約12%に抑え、高い作動安定性を示しました。
高価で資源制約のある白金を使用せず、分子構造の制御によって燃料電池の出力と耐久性を向上できることを示した成果であり、レアメタルに依存しない、安価で高性能な次世代燃料電池の実現につながる技術として期待されます。
なお、本研究で評価された触媒のうち「AZ-FT-30」はAZUL Energyが製造を担っており、2026年7月より富士フイルム和光純薬株式会社を通じて研究用試薬として販売しています。AZUL Energyでは、東北大学藪研究室やTechnical Advisorを務めるDekel教授をはじめとする国内外の研究者との連携を通じて、非白金触媒のさらなる高性能化と社会実装に取り組んでまいります。
本研究成果は、米国化学会が発行する国際学術誌 「ACS Catalysis」 のオンライン速報版に2026年9月26日付で掲載されました。研究成果の詳細については、東北大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)のプレスリリースをご覧ください。
